第5回 業界別の変化とポータルサイトからの離脱現象
- 編集部
- 3月28日
- 読了時間: 3分
はじめに
かつては多くの業界において、ポータルサイトへの掲載が集客の要でした。飲食、美容、不動産、宿泊業など、ユーザーはポータルサイトで比較検討を行い、店舗やサービスを選ぶという流れが一般的でした。しかし、現在ではその構図が大きく変わりつつあります。 「ポータルサイト頼み」からの脱却を目指す動きが加速している今、その背景と理由、そして今後の集客戦略のあり方について掘り下げていきます。
1. ポータルサイト全盛期からの変遷
ポータルサイトの役割とその隆盛
飲食業界:ぐるなび、食べログ、ホットペッパーグルメ
美容業界:ホットペッパービューティー、minimo
宿泊業界:楽天トラベル、じゃらん
これらのポータルは、集客力を武器に店舗や事業者に対して高額な掲載料や手数料を求めることが常態化していました。
ユーザーと事業者双方の不満
競合と並列表示され、価格競争に陥りやすい
クーポン依存や割引競争による利益圧迫
手数料や広告費用の負担が増加
ユーザー側も「情報が多すぎて選べない」という状況に直面
2. 離脱現象が起きた要因
SNSの台頭と「自分で探す」ユーザーの増加
InstagramやTikTokの普及により、ユーザーはハッシュタグ検索やレビュー動画を通じて、自分の好みに合ったサービスや店舗を探すようになりました。
GoogleマップとMEOの進化
Googleマップで「近くの○○」と検索するユーザーが増加。Googleビジネスプロフィールを整備し、MEO対策を実施することで、ポータルサイトを経由せずに集客できる仕組みが整いました。
口コミ・レビューの信頼性向上
ポータルサイト内の口コミは「やらせ」や操作の懸念がありましたが、SNSやGoogleマップのレビューはリアルタイムで信頼度が高いと感じるユーザーが多くなっています。
3. 業界別の最新動向と課題
飲食業界
ポータルサイト離れが進行し、自社SNSや公式サイトへの誘導が強化されている
予約はLINE公式アカウントやInstagram DMを利用する店舗も増加
Googleマップ上での口コミ評価が集客に直結
美容業界
ホットペッパービューティー依存からの脱却を目指すサロンが増加
Instagramを活用し、スタイリスト個人が集客するケースが増えている
LINE公式アカウントでの予約・リマインド・アフターケアが定着
宿泊業界
OTA(オンライン旅行代理店)手数料の負担を嫌い、自社サイト予約を強化する動き
SNSでの発信やGoogleトラベルの活用で、直接予約を増やす宿泊施設が増加中
4. ポータル依存からの脱却に向けた戦略
自社サイトとSNSを起点とした集客
ブランディングを意識した情報発信
ユーザー目線での分かりやすい情報設計とコンテンツづくり
SNSと連動したキャンペーンやイベントの開催
口コミとレビューの活用
Googleビジネスプロフィールの充実とレビュー促進
SNS上でのハッシュタグやリポストによる拡散
実際のユーザーの声をフィードバックし、サービス改善につなげる
データ活用と継続的な改善
WebサイトやSNSのアクセス解析に基づいた改善施策
ユーザーの反応を分析し、効果的なコンテンツや投稿時間を模索
おわりに
ポータルサイトに依存しない独自の集客チャネルを確立することは、利益率の向上やブランディング強化につながります。現代の消費者は、自ら情報を選択し、より信頼できる情報源を求めています。SNSやMEO、口コミを最大限に活用し、ポータルに頼らない集客の実現を目指しましょう。
次回は、「未来のWebテクノロジーとビジネス戦略のヒント」と題し、これからのWeb集客やテクノロジーの進化について解説します。